第126話

「離婚の話なんて、誰がした?」

アルファのセバスチャンの顔色がさっと陰った。セリーナがそう伝えたのだろうと察したが、それを口に出すつもりはなかった。

「セリーナの件は片づいています、クロフォードさん。お引き取りください」

「彼女のために言うべきことはわかってる。それだけを言いに来た」

「ジョーダン」

ジョーダンが彼をエレベーターまで案内した。

ヴィンセントは苛立ちながら下へ降りた。その苛立ちの底には、セリーナへの哀れみが沈んでいる。あの男は彼女のために四年の絆を終わらせたというのに、その言葉ひとつをいまだに声にできない。行き着く先など、誰の目にも見えていた。

ロビーから部下にメッセー...

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